今回はマンガではなく、テキストのみの本である。

僕はスマホで電子書籍を読んでいるが、マンガも本も全く苦もなく読める。

マンガは絵を大きくしたかったらスワイプすればいいし、テキストはフォントの大きさを自由に変えることができるので非常に便利だ。


今回はこちら。得点は85点である。 

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文化人としても活躍するグラビアタレントの壇蜜と、自身の波乱万丈の人生をネタに笑わせつつ人間の魅力を描くマンガ家の西原理恵子に、こんな質問、相談が寄せられました。

「とにかくモテたいんです」
「家庭を壊さず、愛人をつくりたい」
「浮気相手に3Pを求められています」
「いままでで一番ハードだった仕事は?」
「上司から”行き遅れ”」と言われます」
「いままで生きてきてよかったな、と思った瞬間は?」

二人が真剣に、そして赤裸々に答えます。
「心の中に小さな野村沙知代を飼いなさい」(西原)
「とりあえず誰とでも寝てみたらいいんじゃないかな」(壇蜜)

大笑いしながらも、ときにホロリ・・・・・・。大好評を博したイベント「文春トークライブ」の書籍化。

高須クリニックの高須院長の恋人としても有名な西原理恵子さん。

僕は以前から好きで、というか、元夫でアル中&ガンで亡くなった戦場カメラマン・鴨志田穣さんに興味があり、著書を2冊読んでいた。こちらである。


遺稿集 (講談社文庫)
鴨志田 穣
講談社
2010-10-15


これらを読むと、西原さんと、アル中だった鴨志田さんとの壮絶な闘いがあったことがよくわかる。

苦労して描いたマンガの原稿を酔って暴言を吐きながら破られたり、鴨志田さんが医者から止められているのに朝からウォッカをストレートで飲んでトイレで吐血したり。

そんな過去があったことを知ってから、上記の『壇蜜×西原理恵子の銭ゲバ問答「幸せはカネで買えるか」』を読むと、一段と深く読むことができること間違いなしである。


本書では、壇蜜さんの質問への回答も明確で切れ味するどく面白いのだが、西原さんはエゲツナイ人生経験を踏まれているので、切れ味のレベルが違う。壇蜜さんがナイフならば、西原さんは大鉈で一刀両断である。

でも、この本にはちゃんと愛がある。

僕がうれしかったのは、西原さんの「私が今まで男にもらったプレゼントの中で、一番うれしいのは精子です」というところ。この精子を捧げたのは、高須院長ではなく、鴨志田さんだ。

『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』には、余命わずかとなった鴨志田さんを西原さんが家で子どもとともに看病し、看取ったところまで描かれている。最後は元の良い関係に戻った、ということが書かれているのだ。


本の面白さは、言葉の表面を読むだけでなく、そのバックボーンと絡めて感じることだと改めて思った一作である。
 
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