福岡市の高島宗一郎市長の震災支援に注目が集まっている。

一部ニュースなどでは「福岡モデル」と呼ばれている方法だ。

僕は今後この方法がスタンダードになると思って、その動向をFacebookなどでチェックしている。


「福岡モデル」とは?

被災地の隣接県が支援の前線基地となり、必要な物資の要望を被災地から聞き、それに合わせて物資募集の情報を出し、物資を集め、仕分けして、各避難所に発送までするというもの。

これが優れている点は、物資を被災地へ直接送ってしまうとさまざまなデメリットが生まれるからだ。

・配送インフラが機能していないため届かない可能性が高い。

・一か所に物資が集まっても仕分け・発送が必要になる。だが、それをするために必要な人も被災者なので、十分なマンパワーが集まらない。

・結果的に、被災地の一部に物資は届いていても、各避難所には全く届かない。

要は、震災でダメージを受けていない気力も体力も十分にある隣接県が物資に関する問題を全て引き受けるというものだ。


今回、支援物資に関する批判としてあがっていたのが、「個人で少量の物資を熊本に届けようとする車が多く、道路が大渋滞してしまい、物資を大量に積んだ大型トラックが通れない。道を開けろ」というもの。

いや、そんなのムリだろ。

自分の家族や大切な人が熊本で震度7を2連チャンで受ける前代未聞の震災に見舞われているのだから、近くに住んでいる人は何とかして駆けつけようとするのが人の常だ。

子どもがピンチになったら親が自然に自分の体を呈して守るのと同じこと。つまり、これは条件反射だ。


こういう批判をする人は、自分の高齢の母や大切な子どもが熊本で一人暮らしをしていても、黙って別の場所で静観できるのだろうか? 助けるのは自衛隊の仕事と割り切って。

被災したのは数十人の村ではない。

熊本市だけでも70万人以上が住んでいて、さらに大分も甚大な被害を受けている。その家族や友人の気持ちを思えば、駆けつけて、渋滞が起きることは当然である。

逆に、これで道路がガラ空きだったら、日本怖いわ。


効率化・最適化という意味では正解かもしれないが、これを徹底するには法律などでがんじがらめにルール化するしかない。そんなことは不可能なので、絶対にこれは今後も起こりうる問題だ。

だって、僕の体感では日本人の9割ぐらいは良い人だから。力になりたい、助けたいと思って、自然にアクションを起こすのだ。

どうしても効率化・最適化を訴えるのならば、声をあげている人がルールにまで落とし込んでほしい。


「力になりたい」「駆けつけたい」、この気持ちを批判するのではなく、必要な力として受け入れ先をつくったのが「福岡モデル」の福岡市であり、先日ブログにあげた友人の辻誠くんが所属する福岡にオフィスを構えるNPOユナイテッド・アースなどの団体である。

NPOや民間ボランティアもネット上でねちねちと批判されているようだが、そういう時は批判している奴のFacebookやTwitterのタイムラインを見てみるといい。

たいてい「あぁ、なるほど」と納得するものばかりだから。


NPOやボランティアが被災者の役に立っているのは間違いない。

今回のケースを見ても、行政は母体が大きいぶん、どんなに高島市長が有能で俊敏に動いたとしても、福岡モデルができたのは震災から4,5日は経過していた。

その間に、小回りのきくNPOや民間ボランティアが繋いでいたという考え方をするとわかりやすいかもしれない。


何もせずにネット上で批判するクレーマーよりも、動いてミスをして批判されるヤツを僕は今後も支持する。


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