今朝のニュース。驚きも新たな発見もない情報である。
出版物販売落ち込み最大 今年1.6兆円割れ 雑誌離れ響く
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151229-00000055-san-bus_all
気持ちいいほどの右肩下がりだ。

出版業界の隅っこで生きる者として書くと、この右肩下がりは今後も変わらない。
「もう落ちれない」というところまでいけば止まるだろうというレベルである。
だから、こういったニュースに僕はもはや興味すらない。既にわかりきったことだからだ。
売れる本は売れる。来年も村上春樹さんや水野敬也さん、一発的に又吉さんのような本が売れるだろう。
でも、それ以外は大局的に見て厳しい。情報が溢れる現代で当然といえば当然の結果である。
僕は2012年に前職の出版社を辞めて、2013年に代官山ブックスを起業した。
この頃から当然、出版不況である。なんら変わりはない。
辞めた理由は、紙の本はもう厳しいと思ったことが1つある(在庫を抱えずにコンテンツが出せる電子書籍をやりたいと飛び出した)。
そして2015年の終わりの今思うことは紙の本がなくなったって出版社は食えるはずだということである。
なぜなら、出版社は紙屋ではないからである。
出版社の仕事は、文章または絵を表現手段としたコンテンツの販売である。
少なくとも僕の定義はこうだ。どう見ても、何回読んでも、この定義に「紙」という媒体名は入ってこない。
だから、極論すると紙がこの世からなくなったって出版社はやっていけるはずである。
だって、紙のない昔は石や竹に文字を刻んだり、書いたりして、それを本の代わりにしていたのだから。
紙がなくなれば、他の媒体が生まれる。それが今はPCやスマホなだけである。
では、具体的に出版社はどうすればいいのか?
出版社の社員も(もちろん僕も)作家同様に文章または絵という表現手段をもっと磨くことである。偉そうで恐縮だが。
プロとして。作家や先生にだけ任せておけばいいという時代はもう終わりだ。
「出版業に携わる」という人は、自著でも代筆でも本の1冊も自分で書けなければいけないと思う。
それが出版業という文章コンテンツで生きる者の矜持である。
出版業に携わる人全員が文章または絵のプロフェッショナル集団になると、紙なんてなくなろうが、出版社にはたくさんの仕事がある。
極論を言えば、日本人がいる限り、日本語がある限り、どの企業とも、誰とだって仕事ができる可能性があるのだ。
テレパシーが使えない現代では、媒体はPCだろうがスマホだろうが企業も個人も意志を伝える手段のメインは文章なのだから(動画もあるが、これはあくまで補助的なものだ)。
ソニーもトヨタも首相官邸も、ホームページを見れば日本語で溢れているのだ。
出版不況の今、僕が社員を抱える版元の社長だったら、社員全員にライターまたはイラストレーターとしてメシが食えるように徹底する。
ライターおよびイラストレーターの良さは、誰とでも仕事ができる点のほか、原価がほぼゼロでいけるからだ。
本が売れないのなら、原価のかからない何かで穴埋めしなければやっていけるはずがない。作家で稼げなければ、自分達で稼ぐのだ。
今、出版業界の人間は踏絵の前にいる。
「あなたたちは紙屋なのか? それとも文章と絵を表現主体とするコンテンツ屋なのか?」
右肩下がりの図表は、「私たちは紙屋です」という意志表示でしかない。
それでは絶対に今後メシは食えないのだ。
逆に言えば、文章と絵という表現手段をビッカビカに磨いておけば、アウトプットする媒体は紙もPC・スマホも竹も石もこちらの選び放題なのである。
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hirota@daikanyamabooks.com/代官山ブックス 廣田喜昭
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